2021年5月4日火曜日

謎の鳥、鳴き声。オオジュウイチか?→判定結果:セグロカッコウ

 この声の主は誰ですか。教えてください。

(最初は画面を2回クリックで再生スタート)

『ホイ、ホイ、ホイ』と鳴き声が聞こえた。
自分は教科書レベルの知識で、サンコウチョウかな?と思って声のする方を追った。
遠くまで良く聞こえてくる。
声の近くまで行くと、すでに二人の熟練者の方がみえ、
サンコウチョウかと尋ねてみると、
『サンコウチョウではない』と速攻の返事。
だが、何の声かは分からないとのこと。
声を聞く人が増え、皆サンコウチョウではないとの意見。

一方、録音した音声を聞いた人は、サンコウチョウだと言う人も現れる。
生音声を聞いた人はほとんどが、サンコウチョウではないと言う。
姿を確かめたくて、3時間あまり、うろうろ、うろうろ。
結局見つからなかった。

サンコウチョウの鳴き声に対して、聞こえている声は、
・音量がとにかく大きい。
・前奏が無い。
・音程が低い。
・語尾が下がる。
とのことで、サンコウチョウとは違うらしい。

一方で、サンコウチョウが入ったという情報が流れたらしく、人が集まり始める。
また、訛りが入ったサンコウチョウだと言う人もいる。
自分の頭の中も整理がつかず、しっちゃかめっちゃか。
とにかく今日は、この謎の声で、すべてのエネルギーを使ってしまった。
オオルリやキビタキがいても、写真を撮る気力が湧かないくらい疲れた(笑)。
でも、ワクワク感いっぱいでした😊

さて、その後、その付近でトケンの写真を撮った人が現れた。
その鳥が鳴いていたのか定かではないが、トケンなのだろうか。
大きな鳴き声はその類かもしれない。

帰宅後、サンコウチョウの鳴き声を検索し聞いてみた。
今日の鳴き声は、サンコウチョウの声ではないと、自分も思った。
トケンの鳴き声も検索してみたが、
今日の鳴き声に相当するようなものは、見つけられなかった。

では、この声は何と言う鳥ですか?
分かる方、教えて下さい。

-------------------------
(追加)
Twitterで『オオジュウイチかな?』とコメントをいただきました。
ネットで早速検索し鳴き声を聞いてみました。
聞けば聞くほどよく似ている感じがしてきました。
特に後半はそっくりに聞こえました。

ここ「バードリサーチ鳴き声図鑑」の、カッコウ目の中にオオジュウイチがあります。

ここの、20秒および1分辺りの鳴き声は似ているように思えます。
これもオオジュウイチの声。似ている気がする。

図鑑で調べてみましたが、
オオジュウイチとするとなかなかの珍鳥ですね。
寒気がしてきた、まじで。

5時間鳴きづつけた後、抜けたと思います。

-------------------------
(さらに追加)
セグロカッコウという話もでているようです。
自分的にはオオジュウイチの方が声が似ているような気がします。
セグロカッコウの鳴き声は基本的に4音節のようで、今回のは3音節に聞こえます。
また、セグロカッコウは、今回の鳴き声よりも、低く聞こえるような気がします。

その後、写真を撮られた人がいるとの情報も貰いました。
(鳴かなくなったので、抜けたと思って撤退したんだけど、まだ居たんですね。くやしいなぁ。まっ、そういうことも あるある。)

-------------------------
(仮判定)
自分が帰宅後撮られた写真を見せてもらいました。
尾の先端部の黒帯、および喉元の色でセグロカッコウらしいとの判定です。
鳴き声だけで決定打を出すのは難しいですね。
と言うか、今回の件は、鳴き声がオオジュウイチ、写真ではセグロカッコウのように思われます。最終的にどのように判断されるのか楽しみです。

------------------------------------------------
------------------------------------------------
私的予想、長文です。(2021.5.11記)

『セグロカッコウかオオジュウイチか』
現在、判定を然るべき人・団体に依頼しているとのことで、結果が楽しみです。

鳴き声は自分で録音しましたが、写真は自分が撮ったものではないので、偉そうなことは言えませんし、写真を載せることもできません。
鳴き声と、見せていただいた写真から、現時点で外野からの私的な見解を書いておきます。
図鑑:『新訂 日本の鳥550 山野の鳥』

結果の情報が入ったらまた記載します。

①--------
『尾上面の黒帯』について。

・オオジュウイチの特徴は。
尾上面の黒帯を、先端から1、2、3とすると。
図鑑解説:太い、細い、太いの順と記載されている。
図鑑写真を見ると:帯の色は同等な濃さ。太さは解説の通り。また、1,2の間隔は狭く、2,3の間隔は広い。
ネットに今までに掲載されている写真:皆、図鑑とほぼ同様の模様。

・セグロカッコウの特徴は。
図鑑解説:羽軸に沿って、汚白色の斑がある。先端付近に黒帯ありと記載されている。
図鑑写真を見ると:先端付近に黒帯あり。一方、汚白色の間に少し濃い部分があり、それが淡い帯に見えることがあるかもしれない。
ネットに今までに掲載されている写真:上の2帯はありそうな、なさそうな、確認しにくい。

・今回の撮られた写真では(A, B, C(2枚), Dの5枚見せていただきました)、
A写真:先端帯は黒く濃い、上の2本は先端帯よりやや淡く、太さは2本とも中位、間隔は狭く等間隔。上の2本の帯については、それぞれ帯の下方が濃い。
B写真:先端帯は幅広濃い、上の2本帯はともに細めの斑で、帯状とは言えない。
角度によって見え方が変わるのか。

・今回の写真から、オオジュウイチは完全に却下される。
どちらかと言えばセグロカッコウの可能性が強い。

②--------
『尾先端の白斑』について。

・セグロカッコウ。
図鑑解説:尾羽先端は白斑ありと記載。

・オオジュウイチ。
図鑑:特に記載なし。写真をみると白斑は無さそうに見える。

・今回の写真:A及びBの尾上面の写真では、白斑がありそうに見える。
C写真:飛び出しの尾下面写真で、尾羽は先端が白い。

・今回の写真は、セグロカッコウの可能性大。

③--------
『尾下面』について。

・ネットに今までに掲載されているセグロカッコウの写真:先端黒帯のすぐ上に、両サイドの外羽に大きい黒い斑がある。

・オオジュウイチは、その斑は無い。

・今回の写真:C写真でその斑アリ。

・よって、セグロカッコウの可能性非常に大。

④--------
『喉の縦斑』について。

・オオジュウイチ。
図鑑解説:喉から胸は黒褐色の縦斑があると記載。

・A、B、C写真:確認しにくいが、縦斑はなさそうに見える。
D写真(上半身が斜めからよく写っている)では、縦斑は認められない。

・オオジュウイチは却下。セグロカッコウの可能性非常に大。

⑤--------
『鳴き声』について。

鳴き声がオオジュウイチに似ているが。

今回は、『ホイ ホイ ホイ⤵』と全く同じ繰り返しをしていた。

ネットで聞くオオジュウイチの声は、前奏があったり、
『ホイホイホイ』の部分でも、始めは遅く低く、次第に速く高くなる。
その速く高い部分だけが、今回の鳴き声に似ている。

一方、知られているセグロカッコウの鳴き声は、4音節で音程も低い。
しかし、そもそも記録自体が少ない上に、『セグロカッコウ=その4音節の鳴き声』 という方程式で固まっているようだ。
確かに、そう鳴く場合が多いかもしれないが、鳥は色々な鳴き方をする。
さえずり、地鳴き、威嚇、年齢、個体差、季節、真似をする鳥もいる。
それを考慮すれば、セグロカッコウがあのような鳴き方をしても、不思議ではない。
一つの鳴き声だけと言うのは、むしろ不自然に思われる。
今まで、知られていないだけ、記録されていなだけかもしれない。
写真の姿によってセグロカッコウが確定されれば、
あの鳴き声は、セグロカッコウの鳴き声であると、新しく記録すればよい。
貴重なデータとなる。

⑥--------
以上、私見では、セグロカッコウの可能性99%。
現時点での単なる私的予想です。

-----------------------
(2021年7月5日の段階で、まだ連絡を受けていません。
どうなってしまったんだろう、自分も気になっています。)

-------------------------
判定結果(2021.7.24記)

判定結果をお聞きすることができました。
(信頼できる研究機関からの判定です)

1.写真判定からは、『セグロカッコウ』で問題なし。
  オオジュウイチではない。
2.鳴き声については、3音節で鳴くセグロカッコウの記録は今までには無い。
  しかし、こういう鳴き方をするのもいると考え、今後注意を払う必要がある。
  また、今回の鳴き声を然るべき所に記録しておくことが望まれる。
以上でした。

写真判定で、セグロカッコウと判定されましたので、
私の見せていただいた写真を今さら許可を頂いて載せるまでも無いと思います。
セグロカッコウの写真が見たい方は、検索してみて下さい。ネット上に沢山あります。
重要なのは、今後のためにも、セグロカッコウが、このような鳴き方をすることもあるという事を、念頭に置いておくという事が大切だと思います。

自分の予想とほぼ同等で、うれしく、すっきりしました。
情報を下さった方、ありがとうございました。


0 件のコメント:

コメントを投稿